はなさない はなさない はなすもんか。 必死で 掴んでいる これはなんだろう 小さくて小さくて 今にも手からこぼれそうで 「あ」 声をあげたときは遅かった。 小さな何かは あたしの手をすり抜けた 音をたてて 酷く美しい音色を響かせて それはもう二度と この手には戻ってこない 目を開ける 喪失感が体中を駆け巡った 071209 memoより発掘